みんなで IA: CSS Nite LP, Disk 7

「情報アーキテクチャ (Information Architecture)」をテーマにしたセミナー、CSS Nite LP, Disk 7: IA スペシャル に参加してきました。6 時間にも及ぶ長丁場でしたが、どのセッションもかなり濃い内容で、有意義なイヴェントだったと思います。

情報アーキテクチャとは何かを僕なりにごく乱暴に要約すると、「情報をわかりやすく伝えるための設計」といったところでしょうか。ユーザが何を求めているかを分析すること、コンテンツを把握し適切に分類すること、ナビゲーションを構造化すること…。そう、つまり、Web サイトを作る人ならだれもが考えていることだし、また考えるべきことだと言えます。

情報アーキテクチャは、扱っているものが「情報」という、ともすればどこまでも抽象的になってしまうようなものなので、とっつきにくいというか、とっかかりがつかみにくいものに感じがちです。しかし、みんながそれぞれの立場から「どうすればより伝わるのか」ということを考え、そしてそのアイディアを共有する、そういったごくシンプルなことが情報アーキテクチャの基本なのだと思います。グラフィック・デザイナーならレイアウトや色彩設計から、フロントエンド技術者ならコードから発想するでしょう。それが情報アーキテクチャの出発点です。

そして情報アーキテクチャのとくに重要にして難しい点が、「いかにして共有するか」という点だと思います。せっかくの設計もメンバー間できちんと共有されなければ意味がありません。そのためのドキュメント形式の選択も悩むところです。しかしそもそもがはっきとしたカタチのないものですから、情報アーキテクチャ作業の成果物としてのドキュメントはプロジェクトによってその姿を変えるはずです。同様に、だれがどれだけ情報アーキテクチャに携わるのかもプロジェクトごとに違ってきます。プロジェクト・マネージャーが中心になってドキュメントに落とし込むのが適切な場合もあれば、メンバー全員で議論した結果をイメージで描き起こすのが早い、という場合もあるでしょう。そうしてベストな方法を探りながら進めるしかないのではないでしょうか。

Web サイト作りに携わるすべてのひとが、それぞれのアプローチで「わかりやすさ」を考え、共有し、そしてゴールを目指す。そんな本来当たり前であるはずの仕事のあり方を本当に実現するために、情報アーキテクチャという古くて新しい手法についてしっかり考えていきたい、そう感じさせるセミナーでした。