ブリングハーストの『The Elements of Typographic Style』(4th ed. Hartley & Marks, 2012)の本文フォーマットはページあたり42行が基本。ただし図版の配置などによってプラスマイナス1行の範囲で増減することがある。その場合、見開きが対称になるよう対向ページも同じ行数に揃えられる。ノンブルが地の小口側に配置されているが、本文とは2行分のアキがあり、1行増えても不自然ではない。
キンロスの『Modern Typography』(2nd ed. Hyphen Press, 2004)では本文38行が基本だが、ページによって1行増えて39行になることもある。これはおもにウィドウを避けるのが目的のようだ。片ページの行が増えても対向ページは基本行数のままだが、左右非対称でも意外と気にならない。柱とノンブルが天にあるために最終行の位置に意識が向きづらいのかも。
このように欧文組版では本文フォーマットの行数に柔軟性を持たせることがあるようだ(ただしここで見たのはどちらもペーパーバック版なので、ハードカヴァー版はまた違うと思われる)。日本語縦組みの場合でも、必要に応じて左ページを1行増やせるようにしておくとよいのだろうか。